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Leica Summicron-M 66 f/2 限定版レンズを正式発表

Leica Summicron-M 66 f/2 限定版レンズを正式発表

ライカカメラ社は、かつて米海軍向けに開発された伝説的なレンズ「Elcan 66mm f/2」を現代的に再解釈した限定版レンズ「Leica Summicron-M 66 f/2」を正式に発表しました。

この新しいSummicron-M 66 f/2は、Leica Classic Lineに加わるもので、そのユニークな66mmの焦点距離が一般の写真家に向けて初めて提供されます。希少な歴史的背景と現代の光学技術が融合し、独特の描写性能と、過去への敬意が込められたデザインが特徴です。

全世界で660本のみの限定生産となり、2026年9月3日より発売が開始される予定です。このレンズは、ライカMシステムの豊かな歴史を体現しつつ、今日のクリエイティブな表現に応えるものとして注目されます。

この記事のポイント

  • 米海軍向けに開発された伝説的な「Elcan 66mm f/2」の現代的な再解釈
  • 写真家が初めて手にする、ユニークな66mmという焦点距離
  • 開放絞りでの高コントラストと柔らかいボケ、絞り込み時の高い解像力を両立
  • 標準Mレンズと異なる絞りリングの回転方向や軍用仕様の距離目盛りなど、歴史的意匠を再現
  • 全世界660本の限定生産で、2026年9月3日より発売
目次

伝説の軍用レンズが現代に蘇る

幻のElcan 66mm f/2を再解釈

Leica Summicron-M 66 f/2の起源は、1960年代後半にDr. Walter MandlerによってErnst Leitz Canadaで開発された「Elcan 66mm f/2」にあります。このレンズは、米海軍からの依頼で秘密偵察写真のために設計され、わずか約200本しか生産されなかった非常に希少な存在です。当時のLeica Mシステムにおいて最も希少なレンズの一つとして、光学的な重要性だけでなく、歴史的な意義も持ち合わせていました。

当時Ernst Leitz Canadaの開発責任者兼副社長であったDr. Mandlerは、「海軍情報部が求めていたのは、見た目は他のレンズと変わらないが、比類のない解像性能を持つレンズだった」と当時を振り返っています。66mmという焦点距離も偶然ではなく、最大解像度、精細なコントラスト再現、コンパクトな設計という3つの要素を精密にバランスさせた結果生まれたものです。また、こうした機材は米海軍だけでなく、冷戦時代の西側同盟国の間でも使用されていたとする歴史的な記録も残っています。

Elcan 66mm f/2は、Leica M4の軍用特別版であるLeica KE-7Aと組み合わされ、詳細な描写が求められる隠密な任務に使用されました。特筆すべきは、捕獲時にカメラとレンズを破壊する方法を説明する取扱説明書が付属していたという点です。今回のSummicron-M 66 f/2は、そのElcanの光学設計を基にしつつ、現代の基準に合わせて最適化され、その伝説を現代に引き継ぐものとして位置づけられています。

ユニークな66mm焦点距離の魅力

66mmという焦点距離は、最大解像度、高精細なコントラスト、そしてコンパクトな設計の精密なバランスから生まれたとされています。この焦点距離は、写真愛好家にとって初めて利用可能となるものです。

古典的な50mmレンズとより長いポートレート焦点距離の中間に位置し、自然な遠近感と微妙な画像圧縮を提供します。これにより、特にポートレート撮影において、被写体と背景のバランスを繊細に表現することが可能となり、独特の画角で被写体を捉えることができます。

Leica Summicron-M 66 f/2の光学性能と設計

描写特性

Leica Classic Lineの一員として、Summicron-M 66 f/2は独特の描写特性を備えています。最大絞りF2では、高コントラストでありながら、柔らかく調和の取れたボケ味を生成します。一方、絞り込んだ際には、元々の設計目的であった微細なディテールを忠実に再現する並外れた解像力を発揮します。

レンズ構成はコンパクトな6群5枚の光学設計を採用しています。

特徴的な機械設計と歴史的意匠

このレンズの機械設計は、標準的なLeica Mレンズとは異なるいくつかの特徴を持っています。絞りリングは標準のMレンズとは逆方向に回転し、距離目盛りはオリジナルの軍事仕様に準拠したメートルとフィートの併記となっています。

また、レンズの刻印も歴史的なデザインを彷彿とさせます。光学計算番号「B1047」と12桁の内部材料番号、そして個別のエディション番号がフロントリングに刻まれています。これは、オリジナルのElcanが生産番号・最初の計算番号「C283」・13桁の米海軍発注番号を同じ位置に刻んでいたことに倣った構成です。さらに、オリジナルElcanにインスパイアされた「Leitz Wetzlar」の刻印が施されています。レンズ側面には、当時の精密レンズに見られた「60」という刻印があり、これは正確な焦点距離66.0ミリメートルを示しています。これらの特徴は、Leica Summicron-M 66 f/2が単なる現代のレンズではなく、歴史的な物語を持つ特別な存在であることを際立たせています。

Leica Summicron-M 66 f/2はドイツ製です。

限定生産と販売情報

Leica Summicron-M 66 f/2は、全世界で660本の限定生産となります。各レンズには個別のシリアル番号が刻印され、その希少価値を高めています。

本レンズは2026年9月3日より、ライカストア、ライカオンラインストア、および正規ディーラーにて発売される予定です。元記事執筆時点での希望小売価格は€9,850.00(VAT込み)とされています。

なお、限定生産の最初の1本となるシリアル番号001のLeica Summicron-M 66 f/2は、2026年11月にウェッツラーで開催されるLeitz Photographica Auctionに出品される予定です。

主な仕様

  • レンズ名: Leica Summicron-M 66mm f/2
  • オーダー番号: 11099
  • 画角 (対角/水平/垂直): フルサイズ (24 x 36 mm) 36.3°、30.5°、20.6°
  • レンズ構成: 6群5枚
  • バヨネット前面の入射瞳位置: 31.40 mm
  • 最短撮影距離: 1 m
  • 最小撮影範囲: フルサイズ 321 x 481 mm
  • 最大撮影倍率: 1:13.4
  • 絞り機構: クリックストップ式、ハーフステップロック付き
  • 最小絞り: F16
  • 絞り羽根枚数: 9枚
  • マウント: ライカMバヨネット
  • フィルター径: E49
  • レンズフード: ねじ込み式
  • 長さ: 約60.1 mm
  • 直径: 約60 mm
  • 質量: 約456 g
  • 同梱品: Leica Summicron-M 66 f/2、レンズフード、金属製レンズフロントキャップ、金属製レンズリアキャップ、レザーケース

編集部コメント

Leica Summicron-M 66 f/2の登場は、映像制作者やクリエイターにとって、単なる新しいレンズ以上の意味を持つでしょう。かつて米海軍の機密任務のために設計された「Elcan 66mm f/2」という伝説のレンズが、現代の技術で蘇るという背景は、このレンズに深い物語を与えます。

特に注目すべきは、今回初めて一般に提供される66mmというユニークな焦点距離です。標準的な50mmレンズよりもわずかに圧縮された自然な遠近感は、特にポートレート撮影において、被写体の存在感を際立たせつつ、背景との調和を保つ繊細な表現を可能にする可能性があります。このレンズは、歴史的価値と現代の創造性を融合させたいと考える写真家にとって、新たなインスピレーションをもたらす特別な一本となるかもしれません。

本記事は海外メディアで公開された情報を参考に、日本向けに内容を整理・要約しています。

参考記事:Leica Summicron-M 66 f/2 limited edition lens officially announced

画像:Leica PRESS RELEASE
参照:Leicaプレスリリース
※掲載画像はメーカー公開のプレスリリースより引用しています。

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