
株式会社ワンダーシェアーソフトウェアは2026年10月9日、動画編集ソフト「Filmora(フィモーラ)」の最新メジャーバージョン「Filmora 16」をリリースしました。「FilmoraとAIで、編集を次のレベルへ。」をスローガンに、AIによる素材の解析・整理から、収録、精密な編集、書き出しまでの制作フロー全体がアップデートされています。
Filmora 16の概要
動画制作では、素材が増えるほど必要なシーンを探す作業に時間がかかり、表現にこだわるほど細かな設定や複雑な操作も必要になります。Filmora 16は、こうした工程の負担を減らし、制作者がアイデアや表現そのものに集中できる編集環境を目指したバージョンです。YouTubeクリエイターやVlog制作者のほか、継続的に動画を制作するマーケティングチームなどを主な対象としています。
主な新機能一覧
| 分類 | 新機能 | 概要 |
|---|---|---|
| 素材理解・収録 | AIメディア解析 | 動画や画像の内容を解析し、タグや素材説明、編集のヒントを生成 |
| 素材理解・収録 | マルチソース録画 | 複数の画面・カメラ・マイク・システム音声を独立した素材として一度に収録 |
| 素材理解・収録 | ゲーム録画 | ゲームウィンドウの収録に特化した専用モード |
| 精密な編集 | カメラトラッキング | 被写体を追跡し、動きに合わせて画角を追従させる |
| 精密な編集 | カラーマスク | マスクで指定した領域だけにカラー調整を適用 |
| 精密な編集 | 自動色補正 | 明るさやコントラスト、色味を自動調整 |
| 表現 | 360°動画リフレーム | 撮影後に視点や画角を決め直し、カメラワークを作成 |
| 表現 | スマートテキスト補正 | 音声から生成した字幕の誤りを検出し、修正候補を提示 |
| 表現 | 字幕トラック | 字幕を専用トラックで管理し、スタイル調整や多言語管理を行う |
| 表現 | ダイナミックキャプション | 音声に合わせた動きのある字幕スタイルを適用 |
| 書き出し・連携 | XMLインポート/エクスポート | 他の対応編集ソフトとのプロジェクトの受け渡し |
| 書き出し・連携 | 一括書き出し | 複数の書き出しタスクをまとめて処理 |
AIで素材を理解し、収録から素材選びまでをスムーズに

AIメディア解析
大量の素材を1本ずつ確認しなくても、AIが動画や画像の内容を解析し、人物、シーン、場所、動作などを識別します。解析結果からはタグや素材説明、編集のヒントが生成されます。
結果は素材の整理や検索にも使えます。ファイル名やサムネイルだけでは見つけにくかったクリップも、「誰が映っているか」「どのようなシーンか」といった内容から探し出せます。プレビューやタイムライン上に表示される編集候補を手がかりに、必要なシーンの発見から粗編集までを効率化できるとしています。
マルチソース録画とゲーム録画
マルチソース録画は、複数の画面やカメラ、マイク、システム音声などを、一度の収録でそれぞれ独立した素材として記録できる機能です。収録後も映像と音声を個別に編集できるため、チュートリアルや製品レビュー、ゲーム実況などを、収録から編集までFilmora内で進められます。
ゲーム録画は、ゲームウィンドウの収録に特化した専用モードです。ゲーム画面と音声、マイク、カメラを収録し、そのまま編集に移れます。録画機能の項目には、V16.0.0時点ではWindows版に対応するとの注記があります。
精密な編集を、より直感的に

カメラトラッキング
人物の頭部や身体、または任意に指定した対象を追跡し、被写体の動きに合わせて画角を追従させる表現を作れます。人物だけでなく、ペットや物体、画面内の特定の部分にも対応しています。複雑な手動のキーフレーム設定に頼らずに、被写体を捉え続けるような映像演出を取り入れられるとしています。
カラーマスクと自動色補正
カラーマスクは、マスクで画面内の範囲を指定し、その領域だけにカラー調整を適用する機能です。人物の顔を明るくする、空を暗くする、背景の色味を変えるといった調整を、映像全体に影響を与えずに行えます。複数の調整レイヤーやマスクにも対応し、異なる領域を個別に調整できます。
自動色補正は、明るさやコントラスト、色味などを自動で調整し、素材の見え方をすばやく整える機能です。効果の強さも調整できます。
映像表現と字幕の拡充

360°動画リフレーム
360°カメラで撮影した全方向の映像から、撮影後に見せたい方向や画角を自由に決め直せます。プレイヤー上で視点を調整しながら、キーフレームやカメラ移動のプリセットを使い、視点の回転やズーム、ダイナミックなカメラワークを作成できます。広角、魚眼、小惑星といった360°ならではの表現も取り入れられます。なお、V16.0.0ではリフレーム後の映像を通常の動画として書き出します。
字幕まわりの機能
スマートテキスト補正は、音声から生成した字幕に含まれる固有名詞、同音異義語、文法、区切りなどの誤りを検出し、修正候補を提示します。同じ誤りをまとめて修正できるほか、会社名や商品名、専門用語を個人辞書に追加することも可能です。
字幕トラックでは、音声認識で生成した字幕やインポートした字幕を、専用のトラックで管理できます。字幕の編集やスタイル調整、多言語コンテンツの管理がしやすくなります。ダイナミックキャプションは、音声に合わせた動きのある字幕スタイルを適用する機能で、Filmora 16ではテンプレートの分類やお気に入り機能も強化されました。
書き出しと他ソフトとの連携
XMLのインポート/エクスポートに対応し、互換性のあるタイムライン構造をFilmoraに読み込めるほか、FilmoraのプロジェクトをXML形式で書き出せます。他の対応編集ソフトとの基本的なプロジェクトの受け渡しをサポートし、異なる編集環境をまたぐ制作にも対応します。
一括書き出しは、複数の書き出しタスクをまとめて処理する機能です。用途や尺の異なる複数のバージョンを作るときの、繰り返し作業を減らします。
編集部コメント
動画制作の視点でとくに気になるのは、AIメディア解析です。YouTube向けに撮影した素材は、1本の動画のために数時間分になることも珍しくありません。人物やシーンの内容から目的のクリップを探せるなら、粗編集にかかる時間を減らせる可能性があります。ただし、日本語の映像や、似た場面が続く素材で、どこまで正確にタグ付けされるかは、実際に試して確かめる必要があります。
もうひとつは、XMLでのプロジェクトの受け渡しです。他の編集ソフトとのやり取りができれば、Filmoraで粗編集を行い、仕上げは別のソフトで行うような使い方も考えられます。ただし、リリースでは「基本的な」受け渡しをサポートするとされています。エフェクトやテロップなどがどこまで引き継がれるのかは、実際の運用の前に検証しておきたいポイントです。
本文は株式会社ワンダーシェアーソフトウェア公式のプレスリリースを参考に、内容を整理・要約しています。
画像:株式会社ワンダーシェアーソフトウェア(PR TIMES)
参照:「Filmora 16」リリース。AIで素材理解から仕上げまで、動画編集ワークフローをアップデート
※掲載画像は株式会社ワンダーシェアーソフトウェアがPR TIMESで配信したプレスリリースより引用しています。
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