
海外のカメラ系YouTubeチャンネルが、Nikon Z5IICを数ヶ月にわたって実際に使用したハンズオン動画を公開しました。既存モデルのNikon Z5IIとの違いや、ファインダーを搭載しないことが実際の使用感にどう影響するのかを詳しく解説しています。
本記事では、この動画で紹介されている内容をもとに、Z5IICならではの特徴と、Z5IIとの使い分けのポイントを整理して紹介します。
この記事のポイント
- Z5IICの最大の違いは電子ビューファインダー(EVF)を搭載しないことで、背面モニターのみで撮影するカメラとなっている。
- ボタン配置や操作系はZ5IIとほぼ共通で、Nikon Zマウント機シリーズ全体で操作性に一貫性がある。
- センサーやAFシステムはZ5IIと共通だが、フルサイズ機として初めて「シーンモード」を搭載し、新たに「魚」専用の被写体検出にも対応している。
- 動画性能もZ5IIと同等で、10bit H.265のLog記録や12bit N-RAWの内部記録にも対応する。
- 発売時からブラックとシルバーの2色展開となり、Zマウント機として初めて同時に2色でリリースされる。
Z5IICの最大の違いはファインダー非搭載
Z5IICとZ5IIの名称が示す通り、両機は内部的に多くの共通点を持ちますが、最も大きな違いは電子ビューファインダー(EVF)の有無です。Z5IICにはカメラ上部にファインダーが一切なく、背面モニターのみで撮影する、いわゆる「スクリーンオンリー」のカメラとなっています。
動画の紹介者は、この仕様が一部のユーザーにとっては「必須の機能が欠けている」と感じられる一方、三脚に固定してフォーカススタッキングや美術品の複写撮影、ピクセルシフト撮影、風景・建築・インテリア撮影など、ファインダーをあまり使わない撮影スタイルのユーザーには最適だと説明しています。ファインダーがない分、カメラ上部がフラットでスリムになり、Z5IIよりもわずかに軽量化されているとのことで、現行のNikon製フルサイズ機の中で最も軽い機種になるとしています。
紹介者は、実際に複数の写真家にこのカメラを見せたところ、最初は「ファインダーがないのは残念」という反応が多かったものの、実際に使ってみると、自分が思っていたよりもファインダーを使う頻度が少ない(体感で撮影の10〜20%程度)ことに気づくケースが多かったと述べています。スマートフォンやコンパクトカメラからのステップアップで、そもそもファインダーを使う習慣がないユーザーにとっては、むしろ違和感のない選択肢になるだろうとしています。
Z5IIと共通のボディ設計・操作性
ボタン配置は既存のNikon Zマウントユーザーにとって見慣れたレイアウトで、Z5II、Z6III、Z8など機種間でボタンやダイヤルの位置が概ね統一されている点が評価されています。電源ボタンやISOボタン、各種ダイヤルの位置もほぼ共通で、複数のZマウント機を併用するユーザーにとって扱いやすい設計だとしています。左側面にはマイク端子、ヘッドホン端子、充電・アクセサリー接続用のUSB-C端子、HDMI端子を備える一方、バッテリーグリップの接続端子は搭載されていません。
グリップは大きく握りやすい設計で、24-70mmや85mm F1.2のような大型レンズはもちろん、26mmパンケーキレンズのような小型軽量レンズを装着した際もバランスよく扱えるとしています。メモリーカードスロットはバッテリー室と分離した専用ドアに配置されており(ZFのようにバッテリー室と共用ではない)、SDカードスロットを1基搭載します。Wi-Fi接続時にはNikon Imaging Cloudへ直接アップロードするバックアップ機能にも対応しています。
スペックはZ5IIと同等 新機能は「シーンモード」と「魚検出」
センサーは有効画素数約2400万画素のフルサイズセンサーで、積層型ではないものの、良好なダイナミックレンジと画質を実現しているとし、スペック自体はZ5IIと共通です。連写は、メカニカルシャッター使用時で最高14コマ/秒、電子シャッター使用時は最高30コマ/秒(この際はJPEG記録のみ)に対応します。手ブレ補正はボディ内蔵で、公称値はZ5IIと同じく最大7.5段ですが、紹介者は「体感的にはより安定して手持ち撮影ができた」とコメントしています(具体的な理由は不明としつつ、1/5秒程度のスローシャッターでも手持ちでシャープな写真が撮れたとしています)。防塵防滴仕様もZ5IIから妥協なく引き継がれています。
新機能として、Nikonのフルサイズ機として初めて「シーンモード」が搭載されました。これは従来DXフォーマット機に搭載されていた機能で、ポートレート、風景、夜景ポートレート、スポーツ、フード、動体、ペットなどの撮影シーンを選択すると、絞りや色味・コントラストなど最適な設定に自動調整してくれるというものです。フルサイズ写真の経験が浅いユーザーや、シャッタースピード・絞り・ISOの関係にまだ不慣れなユーザーを意識した機能とされています。
AFシステムはZ6III、Z8、Z9と同じ被写体認識・3Dトラッキング・オートエリアAFに対応し、-10EVの低照度AF性能も共通です。新たに追加されたのが「魚」専用の被写体検出モードです。従来のZ8・Z9でも「動物」設定内で魚を検出できていましたが、Z5IICでは鳥と同様に魚専用の検出モードが独立して用意されており、魚の種類や形状・サイズに応じた検出が可能だとしています。紹介者は、この魚検出とファインダーを持たない設計を組み合わせることで、将来的に水中ハウジングが用意されれば、水中撮影用カメラとしても有力な選択肢になり得ると指摘しています。ピクセルシフト撮影(96MP相当の高解像度合成)、フォーカスシフト撮影によるフォーカススタッキング、多重露光、タイムラプスといった既存の撮影機能もすべて引き継がれており、機能面での妥協はないとしています。
動画性能とレンズ対応
動画スペックもZ5IIとほぼ同等で、4K60pおよびフルHD 120pの記録に対応します。Nikon ZRやZ6IIIのような高解像度・高フレームレートには対応しないものの、10bit H.265でのLog記録に加え、12bitのN-RAW動画をSDカードへ内部記録できる点が特徴です。外部レコーダーを使わずに本格的なカラーグレーディングを学べる入門機として位置付けられるとしています。Z5IIにはない追加要素として、タリーランプを内蔵している点も紹介されています。
マウントはNikon Zマウントのため、既存のZマウントレンズ資産をフルに活用できます。紹介者は26mmパンケーキレンズや40mm F2、28mm F2.8といった小型レンズに加え、50mm F1.4、24-70mmクラスのズームレンズ、85mm F1.2といった大型レンズまで、幅広いレンズと組み合わせて使用したとしています。
Z5IIとどちらを選ぶべきか
紹介者は、Z5IICを選ぶかどうかは最終的に「ファインダーが必要かどうか」に尽きるとしています。ファインダーが必要な場合はZ5II、不要な場合はZ5IICというシンプルな判断基準を提示しつつ、魚を撮影する機会が多いユーザーや、シルバーカラーのボディを好むユーザーにとってはZ5IICがより良い選択になるとも述べています。
なお、Z5IICにはNikon ZRに搭載されているような電子(デジタル)ホットシューは非搭載で、通常のホットシューのみとなるため、ホットシュー経由での外部ビューファインダー接続はできません。Nikon ZRも同じくファインダーを持たないフルサイズ機ですが、より大型のスクリーンを備え、動画性能に大きく振った仕様になっている一方、価格はZ5IICの方が大幅に抑えられているとしています。動画用途を重視するならZR、スチル中心でフルサイズの写真・動画に手頃に入門したいならZ5IICが向いているという住み分けです。
編集部コメント
Z5IICは、センサーやAF、連写性能、防塵防滴仕様といった基本スペックをZ5IIからそのまま継承しつつ、ファインダーを省くことで軽量化とコストダウンを図った、明確なコンセプトを持つモデルだといえます。フルサイズ機として初めてシーンモードを搭載した点は、これまでファインダーを使う習慣のなかったスマートフォンやコンパクトカメラからのステップアップ層を強く意識した設計であることを裏付けています。
一方で、魚専用の被写体検出モードの追加は、水中ハウジングの登場次第では水中撮影用途としての活用も見込める、映像制作者にとって見逃せないポイントです。また12bit N-RAWの内部記録に対応している点は、入門クラスの価格帯としては珍しく、カラーグレーディングを学びたいクリエイターにとって魅力的な仕様といえるでしょう。ファインダーの有無という一点をどう捉えるかで評価が分かれるカメラですが、三脚での静物・風景撮影や動画用途が中心のユーザーにとっては、Z5IIよりも軽量かつ手頃な選択肢になりそうです。
本記事は海外のYouTube動画で公開された内容を参考に、日本向けに内容を整理・要約しています。
画像:Nikon PRESS RELEASE
参照:Nikonプレスリリース
※掲載画像はメーカー公開のニュースリリースより引用しています。
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