
Panasonicは、Lマウントシステム向けのフルサイズ対応の広角単焦点レンズ「LUMIX S 20mm F2.5」を発表しました。このレンズは、軽量でコンパクトな設計でありながら、優れた光学性能を備えると評価されています。国内の発売日は10月29日で、希望小売価格は84,700円(税込)です。
近年、写真や映像制作で、広角レンズの需要が高まっています。製造技術の進化と、レンズ設計の洗練により、高性能な広角レンズが、身近な存在になりつつあります。本記事では、海外メディアのレビューにもとづいて、LUMIX S 20mm F2.5が、その需要に応えるレンズかどうかを検証します。
元記事では、24MPのLUMIX S9のボディと組み合わせて、このレンズがテストされています。スタイリッシュな外観、興味深い仕様、手の届く範囲の価格が、評価されており、最終的な評価は、「強く推奨(Highly Recommended)」です。
この記事のポイント
- Lマウントに対応する、フルサイズ用の20mm F2.5の超広角単焦点レンズ。国内の発売日は10月29日で、希望小売価格は84,700円(税込)。
- 質量は約142gで、防塵・防滴に配慮した構造と、耐低温設計を備える。
- 非球面レンズ3枚、EDレンズ3枚を含む、9群11枚の光学構成。
- 元記事の測定では、中央部のシャープネスが傑出しており、色収差、歪曲収差、周辺減光も、よく抑えられている。開放付近の周辺部は、「まずまず」の評価。
- 動画撮影に配慮した、フォーカスブリージングを抑える設計。
- 短所は、手ぶれ補正がないことと、フードが付属しないこと。
- 他のレビューでは、歪曲と周辺減光は、カメラ側の補正を前提にした設計とも指摘されている。
LUMIX S 20mm F2.5の概要と国内の発売情報
パナソニックは、日本で9月17日にLUMIX S 20mm F2.5(型番:S-S20)を発表しました。発売日は10月29日で、予約受付は9月25日10:00に始まっています。カラーは、ブラックとシルバーの2色です。
| 製品名 | LUMIX S 20mm F2.5(S-S20) |
|---|---|
| マウント | Lマウント(フルサイズ対応) |
| 焦点距離・開放F値 | 20mm、F2.5(最小絞りF22) |
| 画角 | 94° |
| レンズ構成 | 9群11枚(非球面レンズ3枚、EDレンズ3枚) |
| 絞り羽根 | 7枚(円形絞り) |
| 最短撮影距離 | 0.18m(撮像面から) |
| 最大撮影倍率 | 0.15倍 |
| AF駆動 | ステッピングモーター(リアフォーカス方式) |
| 手ぶれ補正 | レンズ内なし(カメラ側の補正に依存) |
| フィルター径 | 62mm |
| サイズ | 最大径約69.4mm×全長約40.9mm |
| 質量 | 約142g(キャップ類を除く) |
| 防塵・防滴 | 防塵・防滴に配慮した構造、マイナス10℃の耐低温設計 |
| 発売日 | 2026年10月29日 |
| 希望小売価格 | 84,700円(税込) |
同じシリーズの「LUMIX S 40mm F2」(約144g)と「LUMIX S 18-40mm F4.5-6.3」(約155g)も、全長が約40.9mmで、フィルター径が62mmと、揃えられています。3本を、LUMIX S9と組み合わせて、小型のシステムを組めます。
LUMIX S 20mm F2.5の主な特徴と操作性
ミラーレスカメラは、かつてのデジタル一眼レフカメラより、大幅に小型化されるという期待がありましたが、元記事は、その考えは、すでに捨てていると述べています。一般に、レンズの大きさと重さは、以前と変わらず、基本的なキットを運ぶだけでも、カメラバッグが必要です。その中で、LUMIX S 20mm F2.5は、質量が約142gと、非常に軽量です。最大径約69.4mm、全長約40.9mmのサイズは、軽さに比べると、厚みがありますが、プラスチック素材の使用により、軽量化を実現しています。元記事は、製品の作りの質は高く、フォーカスリング兼コントロールリングは、滑らかな操作感だと評価しています。
元記事によると、レンズフードは付属していません。広角レンズでは、特に残念だとしています。別売のフードを購入でき、62mmの標準フィルターネジを使って、取り付けます。前玉は、比較的小さく、特に傷つきやすいわけではありません。フッ素コーティングが施されており、ホコリ、水分、油分をはじき、清掃を容易にします。このレンズは、防塵・防滴に配慮した構造で、耐低温設計も備えています。元記事は、動作温度の範囲を、-10℃から+40℃としています。
レンズ鏡筒には、2つのスイッチがあります。1つは、おなじみのAF/MF切り替えスイッチで、もう1つは、AFフォーカスロックのボタンです。このボタンは、メーカーの資料では、フォーカスボタン(Fnボタン)と呼ばれており、カメラのメニューから、ほかの機能を割り当てることもできます。最短撮影距離は0.18m(撮像面から)で、最大撮影倍率は0.15倍です。元記事は、十分に近くまで寄れるため、ドラマチックな前景を活かした構図を、作りやすくなると述べています。
光学系は、9群11枚で構成され、非球面レンズ3枚と、ED(特殊低分散)レンズ3枚を含みます。動画撮影時に発生する、フォーカスブリージング(ピント位置による画角の変化)を抑える設計で、映像制作者には、歓迎される特徴です。レンズ内の手ぶれ補正機構はなく、使用するカメラボディ側の手ぶれ補正機能に依存します。
レンズマウントは、美しく磨かれた金属製です。多くのレンズが3本のネジで固定されるのに対し、このレンズは、5本のネジで固定されています。作りは堅牢で、長く使えそうだとしています。装着の動作は固めですが、使ううちに、少し柔らかくなるとよいと、元記事は述べています。全体として、操作部は少なく、欠点も少なく、使っていて楽しいレンズだと、評価しています。
描写性能の評価
元記事では、LUMIX S9のボディを使い、ImatestソフトウェアでLUMIX S 20mm F2.5の性能がテストされました。
シャープネス
元記事の評価は、傑出、優秀、非常に良好、良好、まずまず、の段階で示されています。
中心部のシャープネスは、F2.5からF5.6にかけて傑出しており、F8からF16で優秀、F22でも非常に良好です。周辺部のシャープネスは、F2.5とF2.8でまずまず、F4で非常に良好、F5.6で優秀、F8とF11で非常に良好、F16で良好、F22でまずまずの結果でした。開放付近の周辺部が、わずかに甘い点を除けば、非常にくっきりとした、満足のいくレンズです。広い絞りで、近い距離では、弱点が見られ、元記事が掲載したテスト画像でも確認できますが、それ以外は、素晴らしい結果です。
色収差(CA)
色収差は、よく抑えられています。画像の中央部では、ほぼ色収差が見られず、周辺部でも、色フリンジの兆候は、ほとんどありません。
歪曲収差
樽型の歪曲が、いくらか確認されましたが、測定値は-0.74%にとどまり、これも優れた結果です。
ボケ
ボケは、美学的な要素であり、直接的な測定はできません。元記事は、このレンズが、超広角で、非常にシャープであるにもかかわらず、ボケは、柔らかく自然で、予想より、はるかに良いと評価しています。
フレア
通常の使用では、フレアは問題になりません。極端な光源条件では、アーティファクト(意図しない像)が発生することがありますが、画像への影響は、最小限です。
周辺減光
周辺減光は、最小限で、実際の数値は、特に、これだけ広いレンズとしては、非常に印象的だと、元記事は述べています。各絞り値での測定値は、次のとおりです。
| 絞り値 | 周辺減光の測定値 |
|---|---|
| F2.5 | -1.1 |
| F2.8 | -0.9 |
| F4 | -0.7 |
| F5.6 | -0.5 |
| F8 | -0.5 |
| F11 | -0.5 |
| F16 | -0.5 |
| F22 | -0.5 |
元記事は、測定値の単位を示していません。一般には、露出の段数(EV)で表される値です。
元記事の評価:長所と短所
元記事は、このレンズを、「軽量で、コンパクトで、絶対的に優れたレンズ」とし、最終的な評価を、「強く推奨(Highly Recommended)」としています。長所と短所は、次のとおりです。
長所
- 傑出したシャープネス(特に中央部)
- 非常に少ない歪曲
- 滑らかなボケ
- 少ない色収差
- 少ないフレア
- 高速で、正確で、ほぼ無音のAF
- 防塵・防滴・耐低温
短所
- 手ぶれ補正がない
- フードが付属しない
超広角レンズの使い方
元記事は、超広角レンズを、被写体に近づいて撮ることで、劇的な前景と、深く没入感のある視点を作れる、強力な道具だとしています。風景だけでなく、建築、ストリート、ファッション、ポートレートにも使えます。ただし、被写体に近づかないと、前景が空っぽになり、背景も小さく見えてしまうため、基本は、近づき、さらに近づくことです。とはいえ、ルールを破った優れた作品も、数多くあるとしています。
補足:他のレビューで指摘されている点
元記事の測定とは別に、他の海外のレビューでは、次のような点が指摘されています。購入を検討するときの参考にしてください。
- 補正を前提にした設計:歪曲(樽型)と周辺減光は、カメラ側のプロファイル補正を前提にした設計と報じられています。補正をかけない状態では、樽型歪曲が大きいという報告があります。元記事の-0.74%は、補正後の値の可能性があります。
- 開放では隅が甘い:F2.5の開放では、中央はシャープですが、周辺や隅が甘くなり、F5.6からF8まで絞ると、改善するという報告があります。元記事も、開放付近の周辺部を、「まずまず」と評価しています。
価格と競合レンズ
元記事執筆時点の、LUMIX S 20mm F2.5の英国価格は、429ポンド(約8万9,000円)です。国内の希望小売価格は、84,700円(税込)です。Lマウントで、約20mmの焦点距離を持つレンズとして、元記事は、次の製品を、競合として挙げています。
| レンズ | 英国価格 | 円換算(参考) |
|---|---|---|
| LUMIX S 20mm F2.5 | 429ポンド | 約8万9,000円 |
| SIGMA 20mm F1.4 DG DN | Art | 899ポンド | 約18万7,000円 |
| SIGMA 20mm F2 DG | Contemporary | 659ポンド | 約13万7,000円 |
| SIGMA 17mm F4 DG DN | Contemporary | 509ポンド | 約10万6,000円 |
| LUMIX S 18mm F1.8 | 699ポンド | 約14万5,000円 |
円換算は、1ポンド=208円(9月26日時点のレート)で計算した参考値です。英国価格は、現地の税込価格で、日本の価格とは異なります。ズームレンズを含めると、選択肢はさらに増えますが、価格は、やや高くなります。元記事は、この新しいレンズを、「適切な価格で、優れており、真剣に検討する価値が十分にある」と評価しています。
補足:動画撮影での使いやすさ
- フォーカスブリージングの抑制:元記事は、このレンズが、フォーカスブリージングを抑える設計だと述べています。メーカーも、動画のピント移動を、滑らかにするためとしています。
- 軽さ:約142gと軽量で、小型のボディと組み合わせた、手持ちやジンバルでの運用に向いています。
- 手ぶれ補正はボディ側:レンズ内手ぶれ補正はないため、使用するカメラのボディ内手ぶれ補正や、電子手ぶれ補正に依存します。
- フィルターの共用:同じシリーズの、LUMIX S 40mm F2と、LUMIX S 18-40mm F4.5-6.3と、フィルター径が62mmで共通のため、NDフィルターなどを共用できます。
- クロップズーム:Fnボタンや、コントロールリングに、クロップズームを割り当てられると報じられています。LUMIX S9では、ファームウェアVer.2.1で、レンズのFnボタンの機能が拡張される予定で、公開は、日本時間10月13日10:00と案内されています。
編集部コメント
LUMIX S 20mm F2.5の最も注目すべき点は、20mmの画角を、約142g、全長約40.9mmに収めたことです。同じシリーズの、LUMIX S 40mm F2(約144g)や、LUMIX S 18-40mm F4.5-6.3(約155g)と、ほぼ同じサイズで、フィルター径も62mmで揃っています。小型のLUMIX S9と組み合わせて、手持ちやジンバルで長時間撮影する映像制作者にとっては、負担の軽さと、フォーカスブリージングを抑える設計が、実際の使いやすさに、つながるでしょう。
もう一点は、描写性能の見方です。元記事は、中央のシャープネス、色収差、歪曲、周辺減光を、いずれも高く評価し、最終評価を「強く推奨」としています。一方で、開放付近の周辺部は「まずまず」の評価で、他のレビューでは、歪曲と周辺減光が、カメラ側の補正を前提にした設計であることも、指摘されています。国内の希望小売価格は、84,700円(税込)で、小型軽量を優先した設計です。スナップ、旅行、Vlogなど、携帯性を重視する使い方に向くレンズで、開放付近の隅の描写や、補正を前提とした設計を、どう考えるかが、選ぶときのポイントになりそうです。
本記事は海外メディアで公開された情報を参考に、日本向けに内容を整理・要約しています。
画像:パナソニック株式会社
参照:パナソニック株式会社プレスリリース
※掲載画像はメーカー公開のプレスリリースより引用しています。
レンズ基本情報
カメラ・レンズ・ジンバル スペック比較データベース
1,467点のカメラ・レンズ・ジンバルなど映像制作機材のスペックを横断的に比較できるデータベースを公開しています。気になる製品を選んで詳しい仕様をチェックしてみてください。
機材データベースで比較する











