
Hollylandは、送信機・受信機ともに最大4台まで組み合わせ可能な、拡張性の高いワイヤレスオーディオシステム「LARK M3」を発表しました。グループインタビューや複数人出演のコンテンツ、マルチカメラ撮影など、放送レベルの音声品質が求められる現場を想定した製品です。
単なる1台のワイヤレスマイクとしてではなく、1対多、あるいは多対1で運用できる音声システムとして設計されており、出演者やカメラの台数に合わせて柔軟に構成を変えられる点が特徴です。国内では代理店の株式会社システムファイブを通じて、既に販売が開始されています。
本記事では、LARK M3の構成の自由度、音質・ノイズ処理機能、携帯性、そして国内価格について整理して紹介します。
この記事のポイント
- 送信機・受信機とも最大4台まで組み合わせ可能で、複数人の個別収録(多対1)と、1人の音声を複数カメラで同時収録(1対多)のどちらにも対応。
- 4トラックの独立録音に対応し、ポストプロダクションで話者ごとに音量・音質を個別調整できる。
- 48kHz/32-bit録音、SN比70dB、最大音圧レベル125dBというスタジオレベルのスペックを、独自のHDT無線技術による最大300mの伝送距離と組み合わせている。
- AIノイズキャンセリングやボイスチューニング、Auto-Limit Clip Protection、Primary/Secondaryレシーバー構成など、収録の安定性を高める機能を搭載。
- 送信機は1台9gと軽量で、充電ケース込みで最大48時間駆動。国内では4種類のキットが15,664円(税込)から販売されている。
1対多・多対1で使えるマルチ送受信構成
LARK M3の中核となるのが、複数の送信機と受信機を組み合わせられるアーキテクチャです。最大4台の送信機を1台の受信機に接続すれば、出演者それぞれが自分のマイクを装着し、マイクを回し合うことなく個別に録音できます。逆に、1台の送信機を最大4台の受信機に同時接続することもでき、1人の話者の声を複数のカメラやスマートフォンで同時に収録することも可能です。
この柔軟性はポストプロダクションにも活きます。ホットシューアダプターと組み合わせるか、USB-CレシーバーまたはカメラレシーバーをPCに接続することで、4本の独立したオーディオトラックとして書き出せます。これにより編集者は、話者ごとに音量や音質を個別に調整できます。
スタジオレベルの音質と独自の無線技術
LARK M3は48kHz/32-bit floatでの録音に対応し、SN比70dB、最大音圧レベル125dBというスペックを備えています。伝送には、Hollyland独自の無線技術「HDT」を採用しており、従来比50%高速なデータ伝送により、最大300m離れた距離でもよりクリアで豊かな音質を実現するとしています。
ノイズ処理面では、ディープラーニングと音響シーン解析を用いたAIノイズキャンセリング機能を搭載し、風切り音や交通騒音、水の音といった環境音を3段階のレベルで抑制できます。また、ワンタップでボーカルを整える「カスタムボイスチューニング」機能があり、送信機ごとに個別に選択できる8種類のボイスプリセットを用意。各プリセットはアプリ上でさらに細かくカスタマイズできます。このほか、ダイナミックレンジの広い音声でも音量を安定させるAuto-Limit Clip Protection機能や、メインの受信機(Primary RX)が万一途切れた場合に、サブの受信機(Secondary RX)が即座に録音を引き継ぐ仕組みも備えています。
携帯性を重視した設計
キット自体も携帯性を重視した設計となっています。送信機は1台わずか9gで、着脱が容易なマグネット式マウントを採用。オールインワンの充電ケースには送信機・受信機・ケーブル・ウィンドシールドを収納でき、ケースと合わせたトータルのバッテリー駆動時間は最大48時間としています。
Hollylandでゼネラル・トゥ・マーケット(GTM)スペシャリストを務めるYena Li氏は、「映像制作は、1人が1台のカメラやスマートフォンで撮影するスタイルから、複数人・複数の撮影セットアップによる共同ワークフローへと進化してきました。撮影セットアップが増えるほど、異なるカメラやスマートフォンにまたがって、全員の音声を同時に収録する必要が出てきます。従来のソリューションでは、複数人・複数のカメラやスマートフォンにまたがる音声を収録するために、複数のワイヤレスマイクシステムが必要になることもありました。私たちはLARK M3によって、必要に応じて複数の送信機・受信機を柔軟に接続できる1つのシステムで、複数人・複数カメラでの撮影をよりシンプルにしたいと考えました」とコメントしています。
国内価格とラインナップ
Hollyland LARK M3は、充電ケース同梱の4種類のキットに加え、送信機・受信機の単体パーツとしても展開されており、全世界で計7種類のSKUで販売されるとしています。国内では代理店の株式会社システムファイブを通じて、以下の4キットが税込価格で販売されています(2026年9月28日時点)。
| 構成 | 価格(税込) |
|---|---|
| 送信機2台+USB-Cレシーバー1台 | 15,664円 |
| 送信機2台+カメラレシーバー1台+USB-Cレシーバー1台 | 20,944円 |
| 送信機2台+USB-Cレシーバー4台 | 31,504円 |
| 送信機4台+カメラレシーバー1台+USB-Cレシーバー1台 | 31,504円 |
編集部コメント
LARK M3の最大の特徴は、送信機・受信機をそれぞれ最大4台まで自由に組み合わせられる点にあります。複数人が出演するインタビューやポッドキャスト、あるいは1人の話者を複数カメラで撮るマルチカム収録まで、1つのシステムでカバーできる設計は、従来「複数のワイヤレスマイクシステムを併用する」しかなかった現場のワークフローを大きく簡略化する可能性があります。
特に、4トラックの独立録音によって話者ごとの音量・音質をポストプロダクションで個別に調整できる点は、複数人が同時に話す収録シーンの多い映像制作者にとって実務上のメリットが大きいでしょう。国内でも15,664円からのキットが既に販売されており、価格帯・構成の選択肢が用意されている点も、導入のハードルを下げる要素になりそうです。
本記事は海外メディアで公開された情報を参考に、日本向けに内容を整理・要約しています。
参考記事:Hollyland Lark M3, a scalable broadcast-grade audio system by Jose Antunes
画像:HOLLYLAND
参照:LARK M3
※掲載画像はHOLLYLAND公式サイトより引用しています。
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