
Nikonは、EVF(電子ビューファインダー)を非搭載とした新しいフルフレームミラーレスカメラ「Nikon Z5IIC」を2026年9月24日に公式発表しました。先行して噂されていたこのモデルは、既存の「Z5II」(2025年4月発売)で培われた性能を基盤としつつ、よりコンパクトでカジュアルな操作性を追求したデザインが特徴です。特に、スマートフォンからのステップアップを考えているユーザーや、Vlogger、コンテンツクリエイターといった幅広い層をターゲットにしていることがうかがえます。
本機は、手軽にフルフレームの優れた画質を享受したいと考えるユーザーのために、「CASUALLY SIMPLE. INTENTIONALLY CREATIVE(気軽にシンプルに。意図的にクリエイティブに)」というコンセプトを掲げています。直感的な操作と、高品質な写真・動画撮影を両立させることで、ユーザーが撮影の瞬間に集中できるよう設計されていると発表されています。詳細はNikonのグローバル向け公式プレスリリースで確認できます。
この記事のポイント
- EVFを省略し、スクリーンファーストの撮影体験を追求したコンパクトなフルフレームミラーレスカメラ
- 24.5メガピクセルのフルフレームセンサーとEXPEED 7により、高い画質と低照度性能を実現
- Nikonのフルサイズミラーレスで初のシーンモードを搭載し、Nikon初の「魚」の被写体検出にも対応
- 4K 60p(DXクロップ)、プロダクトレビューモード、N-RAW/N-Log対応など、Vlogやコンテンツ制作に適した動画機能
- 米国ではボディ$1,399.95(約22万円)、レンズキット$1,699.95(約27万円)で2026年10月中旬に発売予定。日本での発売・価格は未発表
革新的なEVFレスデザインとカジュアルな操作性
Nikon Z5IICは、その最大の特徴としてEVFを省略した「スクリーンファースト」の撮影体験を提供します。これにより、カメラ本体のサイズが削減され、ユーザーは撮影中も周囲の状況とつながり続けることができるとNikonは述べています。「Z5II」の定評ある性能を引き継ぎながら、「C」が「カジュアル」を意味するように、複雑な設定を習得することなく満足のいく写真や動画を素早く撮影できるよう設計されています。
具体的には、Nikonフルフレームミラーレスカメラで初めてモードダイヤルに「シーンモード」を搭載しました。ポートレート、ペット、料理から夜景、トワイライトまで15種類のシーンを選ぶだけで、ホワイトバランスやピクチャーコントロールを含む6つ以上の設定をカメラが自動で調整します。また、「Imaging Recipes」にすぐにアクセスできる専用ボタンも設けられており、Nikonや著名クリエイターが作成したレシピをカメラに登録して呼び出すことで、後処理なしで表現豊かな写真や動画を撮影できます。レシピのライブラリーはNikon Imaging Cloudで提供されています。
深層学習技術に基づいた高速かつ高精度なオートフォーカスは、人、犬、猫、鳥、乗り物、航空機、魚といった多様な被写体を自動で検出し追跡し、目に確実にピントを合わせます。なかでも「魚」の被写体検出はNikonとして初めて搭載された機能で、被写体検出で[魚]を選択した場合のみ検出されます。さらに、AUTOモードでは被写体とシーンを分析し、AF、絞り、シャッタースピード、ISO感度を自動で最適化するため、初心者でも安心して撮影を開始できます。
Nikon Inc.でマーケティング・企画担当シニアバイスプレジデントを務めるFumiko Kawabata氏は、Z5IICについて、新しい世代のクリエイターにフルサイズ写真の門戸を広げる重要な一歩であり、スマートフォンを超える画質を複雑さなしに求める消費者に、コンパクトで親しみやすいデザインの中で必要な性能と表現力を提供するものだとコメントしています。
妥協なき画質と性能
コンパクトなボディながら、Z5IICは画質に妥協をしていません。24.5メガピクセルのフルフレーム裏面照射型CMOSセンサーと、Nikonのフラッグシップ機にも採用されているEXPEED 7画像処理エンジンを搭載しています。これにより、豊かな色彩、滑らかなグラデーション、自然なボケ味、そして暗い場所でもノイズの少ないクリアなディテールを実現し、スマートフォンでは得られない写真・動画表現を可能にします。
また、最高約14コマ/秒の高速連続撮影に対応しており、動きの速い被写体の一瞬を逃しません。さらに、ハイスピードフレームキャプチャー+では最高30コマ/秒での撮影が可能です(画像サイズ・画質はJPEG〔L〕NORMALに固定)。このモードではプリキャプチャー機能を使うことで、シャッターを切る最大1秒前まで記録できるため、決定的瞬間をより確実に捉えることができます。
手ブレ補正機能としては、5軸インカメラVR(手ブレ補正)を搭載し、中央部で最大7.5段、周辺部で最大6.0段の補正効果を実現しています(CIPA 2024規格準拠、NIKKOR Z 24-120mm f/4 S望遠端使用時)。これにより、手持ちでの撮影や低照度下での撮影でも、ブレの少ないクリアな写真や動画を実現します。加えて、Nikon Zf(2023年10月発売)で導入された「フィルムグレイン機能」を搭載し、粒子のサイズや強度を調整することで、懐かしいフィルム調の表現を写真や動画に加えることができます(動画記録時には一部制限があります)。
Vlogger・クリエイターを意識した動画機能
Z5IICは、Vloggerやコンテンツクリエイターのニーズに応える豊富な動画機能を備えています。最大4K UHD 60fps、Full HD 120fpsでの記録に対応し、4倍および5倍のスローモーション記録もサポートするため、後処理なしで印象的な短尺動画を簡単に制作できます。なお、4K 60fpsでの記録時は、撮像範囲がDXフォーマット(APS-Cサイズ)にクロップされます。
動画記録中はRECランプとタリーライトが点灯し、モニターには赤い枠が表示されるため、録画中であることを視覚的に確認できます。さらに、「プロダクトレビューモード」を搭載しており、カメラに近づけたアイテムにスムーズにフォーカスを移行させることで、レビュー動画や製品紹介動画の撮影を容易にします。
高度な動画制作にも対応するため、H.265 10-bit (MOV)およびN-Log記録をサポート。SDメモリーカードへのN-RAW動画記録も可能で(対応フォーマットに制限あり、V90のSDカード推奨)、より自由度の高いカラーグレーディングを実現します。UVC/UACサポートにより、USBケーブルでPCに接続するだけでライブストリーミングカメラとしても活用できるなど、幅広い用途に対応します。
日常に溶け込むコンパクトで堅牢なデザイン
Z5IICは、滑らかで流線型のフラットトップデザインを採用し、バッグからの出し入れが容易なため、日常的に持ち運びやすい設計です。カラーはシルバーとブラックの2色が用意され、ユーザーの好みに合わせて選択できます。ボディの主要部分には耐久性に優れたマグネシウム合金が採用されており、高級感のある金属的な質感と剛性を両立しています。
本体の重さは約620gと軽量で、普段使いから旅行まで、どんな場面にも気軽に持ち出せる相棒となります。3.2インチの大型で明るいバリアングルモニターは、ローアングルからハイアングルまで多様なポジションでの撮影を可能にし、反転させることでVlog撮影や自撮りにも便利です。ダブルタップやピンチイン・アウト、スワイプといったスマートフォンと同様のタッチ操作にも対応しています。防塵防滴にも配慮されており、屋外での撮影でも安心して使用できます。
また、スマートフォンへ画像を自動転送できる「SnapBridge」(Ver.2.14へのアップデートが必要)には、撮影設定を実際に体験しながら学べるカメラシミュレーション機能と、テーマ別に撮影のコツを紹介する学習コンテンツが追加されています。
主な仕様
| フォーマット | フルサイズ(FX)、Nikon Zマウント |
| 撮像素子 | 裏面照射型CMOSセンサー(24.5メガピクセル) |
| 画像処理エンジン | EXPEED 7 |
| ファインダー | 非搭載 |
| モニター | 3.2インチ バリアングル式タッチパネル |
| 連続撮影 | 最高約14コマ/秒、ハイスピードフレームキャプチャー+で最高30コマ/秒(JPEG〔L〕NORMAL固定) |
| 手ブレ補正 | 5軸インカメラVR、中央部最大7.5段・周辺部最大6.0段 |
| 被写体検出 | 人、犬、猫、鳥、乗り物、航空機、魚 |
| 動画記録 | 4K UHD 60fps(DXクロップ)、Full HD 120fps、4倍・5倍スローモーション |
| 動画フォーマット | H.265 10-bit(MOV)、N-Log、N-RAW(SDカード記録対応) |
| その他 | シーンモード15種類、Imaging Recipes専用ボタン、プロダクトレビューモード、UVC/UAC対応 |
| ボディ素材 | マグネシウム合金(主要部)、防塵防滴に配慮した設計 |
| 質量 | 約620g |
| カラー | シルバー、ブラック |
価格と発売時期
Nikon Z5IICは、米国では2026年10月中旬に発売が予定されています。NIKKOR Z 26mm f/2.8パンケーキレンズやNIKKOR Z 40mm f/2レンズとのセット販売も、各販売店を通じて提供される予定です。2026年9月24日時点では、日本国内での発売日と価格は発表されていないため、以下の円換算額は同日の為替レート(1ドル=約158円)による参考値です。
| ボディのみ | $1,399.95(約22万円) |
| NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3 レンズキット | $1,699.95(約27万円) |
編集部コメント
Nikon Z5IICは、Nikonのフルフレームミラーレスカメラのラインナップに新しいアプローチを持ち込むモデルと言えるでしょう。EVFを省略し、スクリーンファーストの撮影体験と「カジュアル」をコンセプトに据えた点は、これまでのNikonのカメラが追求してきた高性能・高機能志向とは異なる方向性です。高画質を求めつつも、操作の複雑さに戸惑うことなく気軽に表現を楽しみたいという、スマートフォンから移行するユーザーのニーズに応えるものです。
一方で、映像制作の用途で検討する場合に注意したいのが、4K 60pの記録がDXクロップになる点です。フルサイズの画角で4Kを撮りたい場合は30p以下で運用することになるため、レンズ選びや画角の計画に影響します。それでもN-LogやN-RAWのSDカード記録、UVC/UAC対応といった機能は、本格的な動画制作への入り口として十分な内容です。米国価格を為替換算した約22万円という価格帯が日本でどう設定されるかによって、サブ機やVlog用のカメラとしての位置づけも変わってくるため、国内での正式発表が待たれます。
本記事は海外メディアで公開された情報を参考に、日本向けに内容を整理・要約しています。
画像:Nikon PRESS RELEASE
参照:Nikonプレスリリース
※掲載画像はメーカー公開のニュースリリースより引用しています。
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