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Disguise X Series X2とX3を発表 小規模プロダクション向けに拡充

Disguise X Series X2とX3を発表 小規模プロダクション向けに拡充

英国のメーカーDisguiseは、主力ソフトウェアのDesignerをより幅広いライブイベントで使えるように、X Seriesに「X2」と「X3」を追加すると発表しました。X2は2系統、X3は3系統の4K DCI出力に対応し、中小規模のツアーやフェスティバル、ライブイベント向けに、より手頃な価格でDesignerを使えるとしています。

Disguiseは20年以上にわたり、Bad BunnyやCoachella、ドバイのBurj Khalifa、ニューヨークのTop Of The Rockなど、世界各地の大規模なライブイベントや体験を支えてきました。今回の拡充は、昨年リリースされた「X1」に続くもので、DJセットやシアターツアー、企業ブランドのイベントなど、小規模から中規模のプロダクションにも同社の技術を広げることを狙っています。

本記事では、X Seriesの3モデルの違いと価格、導入事例を整理します。

この記事のポイント

  • DisguiseがX Seriesに、4K DCI出力が2系統の「X2」と3系統の「X3」を追加。
  • X1〜X3の違いは出力数のみで、Designerの機能とワークフローは共通。
  • 価格は1ユーザーあたり年額でX1が$6,000(執筆時点の参考価格で約94万5,000円)、X2が$10,000、X3が$15,000。月額プランはX1が$600から、X2が$1,000から、X3は年額のみ。
  • 対応するWindowsハードウェアで動作し、ポータブルなライセンスドングルで利用する。
  • 大規模な案件では、同じDesignerのワークフローのまま、Disguiseのメディアサーバーに切り替えられる。
目次

Disguise Designerとは

Disguise Designerは、ライブイベントやコンサート、没入型の展示、プロジェクションマッピングなどで、映像を実際の面に合わせて割り当て、再生を制御するためのソフトウェアです。LEDスクリーンやプロジェクターなどの映像機器に出力できます。映像そのものを作るソフトではなく、別のツールで作った映像を取り込み、タイムライン上で組み立てて出力します。会場の3Dモデル上でショーを事前に確認するプリビズ機能も備えています。

従来は、Designerを搭載したDisguiseのメディアサーバーを機材として使うのが一般的でした。X Seriesは、同じDesignerのワークフローを、ライセンスドングルを使って、手持ちのWindowsハードウェアで利用できるようにしたものです。

X2とX3が加わり、X Seriesは3モデルに

X Seriesは、プログラミング、プリビジュアライゼーション、再生を、Disguise Designerによる1つのソフトウェアサブスクリプションにまとめたものです。昨年リリースされたX1は、Charlie Puthの欧州ツアーやTennoCon 2025、Dunham Masseyのクリスマスライトトレイルなど、ライブイベントや没入型体験、企業ブランドのイベントに導入されてきました。

同社によると、X2とX3は今年に入ってから一部の顧客に提供されており、X SeriesはDavid Guetta、Martin Garrix、Central Ceeといったアーティストの主要なプロダクションでも使われています。DisguiseのChief Product and Technology OfficerであるRaed Al Tikriti氏は、X Seriesの重要な目標は、より手頃な価格でDisguiseを使えるようにすることだと述べています。

違いは4K DCI出力の数だけ

公式サイトによると、X1、X2、X3のDesignerのツールとワークフローは共通で、違いは出力の数のみです。案件に必要な出力数に合わせて、1系統、2系統、3系統の4K DCI出力から選びます。

プラン4K DCI出力年額(1ユーザー)月額プラン
X11系統$6,000(約94万5,000円)$600から(約9万4,500円)
X22系統$10,000(約157万5,000円)$1,000から(約15万7,500円)
X33系統$15,000(約236万2,500円)なし(年額のみ)

円の表記は、執筆時点の参考価格です。日本向けの価格は確認できていません。3モデルに共通する内容は次のとおりです。

  • Designerの全機能とプラグインを利用できる
  • ポータブルなライセンスドングルで利用する
  • 対応するWindowsハードウェアから出力する
  • RenderStreamの受信に対応する
  • 無償の生涯ソフトウェアアップデートと、トレーニング、24時間365日のサポートが付く

X1、X2、X3の間で、ライセンスをアップグレードやダウングレードすることはできません。購入と契約管理は、今週ローンチされた新しいプラットフォーム「MyDisguise」で行います。

手持ちのWindowsハードウェアで動作

X Seriesは、対応するWindowsハードウェアで動作します。Al Tikriti氏は、2系統または3系統の4K出力と、Windowsラップトップを含む好みのハードウェアで動かせる柔軟性によって、小規模から中規模のショーにも高度な表現を持ち込めると説明しています。移動の多いツアーでも機動力を保ちつつ、費用のかさむ物流や、他のソリューションでの再プログラミングの手間をなくせるとしています。動作要件の詳細は、公式のヘルプで確認できます。推奨ハードウェアのパートナーは、RenderboxesとSilverdraftです。

大規模システムとの行き来

小規模または中規模のプロダクションにはX1、X2、X3を選び、より多くの出力やクラスタリングが必要な大規模プロダクションでは、Disguiseのメディアサーバーに切り替える使い方ができます。同じDesignerのワークフローの中で、プロジェクトを異なる会場の規模に合わせて拡大でき、要件が変わってもショーファイルを作り直したり、再プログラミングしたりする必要を減らせるとされています。

導入した制作者の声

Central Ceeのツアーでビデオプログラマー兼オペレーターを務め、X2のベータテスターでもあるAlex Loftie氏は、X2への移行は容易だったと話しています。2系統の4K出力により、米国の小規模なショーでも、クリエイティブな構想を妥協せずに品質を維持できました。欧州の大規模なアリーナでは、Disguiseの「GX 3」メディアサーバーに簡単に戻すことができ、米国の小規模な会場で行った変更や追加した新曲を、そのまま再利用できたといいます。

All Of It NowのビデオプログラマーであるVishal Sharma氏は、Martin Garrixのフェスティバルショーで、新しいステージや会場ごとにゼロからやり直さず、同じショーファイルを使えるため、大幅な時間の節約になったと述べています。他のソリューションで再プログラミングする必要もなくなったそうです。

編集部コメント

今回のX Seriesで注目したいのは、X1、X2、X3の違いが4K DCI出力の数だけで、Designerの機能とワークフローが共通である点です。案件の規模に合わせて出力数だけを選べば、同じショーファイルを使い続けられるため、ツアーの小さな会場と大きなアリーナとで、ショーを作り直す手間を減らせるとされています。Central Ceeのツアーの事例は、米国の小規模な公演でX2を使い、欧州の大規模なアリーナではGX 3のメディアサーバーに戻しても、変更をそのまま使えたというものでした。

一方で、契約面には注意が必要です。X1とX2は月額プランがありますが、月額を12か月分払うと年額より高くなる計算で、X3は年額のみです。また、X1、X2、X3の間でライセンスをアップグレードやダウングレードすることはできません。必要な出力数を事前に見極めてから選ぶことが、導入の前提になりそうです。

本記事は海外メディアで公開された情報を参考に、日本向けに内容を整理・要約しています。また、価格などの補足情報はDisguise公式サイトを参考にしています。

参考記事:Disguise makes X Series more accessible to small-sized productions

画像:DISGUISE
参照:X Series
※掲載画像はDISGUISE公式サイトより引用しています。

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