
LAOWAは、フルサイズ対応のAFマクロレンズ「LAOWA ACRIS 35mm F2.8 1X Macro APO」を発表しました。焦点距離35mmの広角寄りの画角と、1:1の等倍マクロ撮影を両立したレンズで、LAOWAは「フルサイズ対応のAFレンズとしては世界初の組み合わせ」としています。
望遠マクロのように被写体だけを切り取るのではなく、被写体の周囲の環境まで写し込めるのが特徴です。AFに対応するマウントはSony E、Nikon Z、Canon EFで、Canon RFとLマウントはMF専用となります。
本記事では、公式の製品情報と海外の報道をもとに、特徴と主な仕様を整理します。
この記事のポイント
- LAOWAがフルサイズ対応の「ACRIS 35mm F2.8 1X Macro APO」を発表。35mmと1:1等倍マクロの組み合わせは、フルサイズ対応AFレンズとして世界初とLAOWAは主張。
- 被写体のディテールに加え、周囲の環境を広く捉えられるため、望遠マクロとは異なる表現が可能。
- APO光学設計で色収差を抑え、開放F2.8、防塵・防滴に配慮した金属製の筐体を採用。
- AFは0.5mから無限遠まで対応し、それより近い領域はMFとマクロフォーカスアシストで操作する。
- AF対応はSony E、Nikon Z、Canon EF、MF専用はCanon RFとL。価格は449ドル(執筆時点の参考価格で約7万1,000円)。
35mmの広角と1:1の等倍を両立
LAOWAによると、一般的な35mmレンズの最大撮影倍率は1:2(0.5倍)程度にとどまります。本レンズは1:1の等倍に対応しており、被写体を実物と同じ大きさでセンサーに写し出せるため、1:2のレンズの2倍のディテールを捉えられるとしています。
焦点距離が長い望遠マクロでは、背景が大きく圧縮され、被写体が周囲の環境から切り離されやすくなります。一方、超広角のマクロレンズでは背景の歪みが目立ちやすく、被写体にかなり近づく必要があります。LAOWAは、35mmをその中間にあたる、歪みの少ない自然な広角の視点と説明しています。被写体と生息環境をあわせて撮りたい自然撮影や、商品とその置かれた空間を見せたい物撮りなどが想定される用途です。
開放F2.8とAPO設計による描写
開放F値はF2.8で、被写体と背景をはっきり分離しつつ、背景を柔らかくぼかした描写が可能です。LAOWAは、光学系にガラス素子を駆使することで、等倍の近接撮影時も含めて画面の隅々までシャープな描写を維持できるとしています。
光学系はLAOWAが得意とするAPO(アポクロマート)設計で、色収差や色にじみを抑えるとされています。レンズ構成は10群13枚、絞り範囲はF2.8〜F22です。筐体は金属製で、防塵・防滴に配慮した作りになっており、雨や湿度の高い森林など、屋外のマクロ撮影でも使いやすいとしています。
AFは0.5mから無限遠まで 等倍付近はMF操作
AFは無限遠から0.5mまでの範囲で動作し、ストリートやドキュメンタリー、日常のスナップなど通常の撮影距離をカバーします。0.5mから1:1までのマクロ領域では、MFリングと「マクロフォーカスアシスト」を組み合わせてピントを合わせる設計です。LAOWAは、細かなピント移動によって、フォーカスブラケットなどのピント合成撮影も行いやすいとしています。
対応マウントは、AFがSony E、Nikon Z、Canon EF、MFのみの対応がCanon RFとLマウントです。絞り羽根の枚数もマウントで異なり、AF対応のマウントは9枚、MFのみのマウントは13枚とされています。
主な仕様
| 製品名 | LAOWA ACRIS 35mm F2.8 1X Macro APO |
|---|---|
| 対応フォーマット | フルフレーム |
| 焦点距離 | 35mm |
| 絞り範囲 | F2.8〜F22 |
| 画角 | 63.4° |
| 最大撮影倍率 | 1倍(1:1) |
| レンズ構成 | 10群13枚 |
| 絞り羽根枚数 | AF対応マウント:9枚 / MFのみのマウント:13枚 |
| 最短撮影距離 | 180mm |
| 最小ワーキングディスタンス | 48.6mm |
| フィルター径 | 72mm |
| 外形寸法(EFマウント・フード除く) | 約87.4mm × 79mm |
| 重量(フード・キャップ除く) | Sony E:560g / Nikon Z:570g / Canon EF:530g |
| AF対応マウント | Sony E / Nikon Z / Canon EF |
| MFのみのマウント | Canon RF / L |
| 価格 | 449ドル |
価格と入手方法
価格は449ドルで、LAOWA公式ストアのほか、AmazonやB&Hなどで購入できると紹介されています。元記事執筆時点で449ドルは、執筆時点の参考価格で約7万1,000円です。日本国内での発売時期や価格は、現時点で確認できていません。
編集部コメント
LAOWA ACRIS 35mm F2.8 1X Macro APOの面白さは、マクロレンズでありながら周囲の環境を広く写し込める点にあります。100mm前後の望遠マクロでは背景が大きく圧縮され、被写体が環境から切り離されやすい一方、35mmの画角なら、小さな被写体とその場の空気感を一枚に収めやすくなります。映像制作でも、商品の質感を見せるインサートカットや、自然ドキュメンタリーで環境ごと見せるクローズアップなど、表現の選択肢が広がりそうです。
一方で、公式スペックでは最小ワーキングディスタンスが48.6mmとされており、等倍付近では被写体にかなり近づく必要があります。照明の当て方やレンズ自体の影、生き物を撮る場合の距離の取り方が課題になる可能性があります。また、AFは0.5mから無限遠までで、等倍付近はMF操作が前提となるため、動画で使う場合はピント送りなどの運用も確認しておきたいところです。
本記事は海外メディアで公開された情報を参考に、日本向けに内容を整理・要約しています。また、仕様などの補足情報はLAOWA公式サイトを参考にしています。
参考記事:Venus Optics announced the World’s First Full-Frame 35mm Lens with True 1:1 Magnification
画像:LAOWA
参照:ACRIS 35mm f/2.8 1X Macro APO
※掲載画像はLAOWA公式サイトより引用しています。
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