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SIGMA 山木和人CEOの短編ドキュメンタリー映像が公開 社員と創業の精神を語る

SIGMA 山木和人CEOの短編ドキュメンタリー映像が公開 社員と創業の精神を語る

SIGMAの山木和人CEOを取り上げた短編ドキュメンタリー映像が、9月30日にYouTubeで公開されました。制作は映像制作チームのCROPEで、概要欄にはSIGMA Global Visionのチャンネルへの謝辞が記されています。インタビュー形式で、経営者としての考え方や社員への思い、創業者である父から受け継いだ使命、そしてこれからの目標が語られています。

海外では、「短期的な利益を追わず、長期的なビジョンを持つ山木CEOの姿勢に感銘を受けた」という趣旨の反応も見られます。

本記事では、この動画で語られた内容を整理し、SIGMA公式サイトで確認できる沿革などの背景情報とあわせて、日本の映像制作者やクリエイターの皆様向けにお届けします。

この記事のポイント

  • 山木CEOは自身を「カリスマ的な経営者ではない」と位置づけ、社員の支えが経営に不可欠だと語っている。
  • 社員の7割以上が技術者であることを踏まえ、建物や職場環境を通じて、技術だけでなく芸術や文化、美意識にも触れてほしいという考えを示している。
  • 新しいビジュアルアイデンティティやパッケージは、製品づくりへの思いと品質を顧客に伝えるためのものだと説明している。
  • 利益は最優先ではないとし、創業の精神と使命を意識し続けていると語っている。
  • 今後は技術だけでなく、顧客の生活や写真との関わりを見据え、5年、10年、15年と続けていく姿勢を示している。
目次

「自分ひとりでは何もできない」社員を家族と語る山木CEO

動画の冒頭で山木CEOは、自身について、経営者として特別にカリスマ性や才能があるわけでも、最も賢いわけでも、強い影響力を持つわけでもないと率直に語っています。だからこそ社員の支えが必要であり、それがなければやりたいことを実現できず、会社として生き残ることさえできないという考えです。

山木CEOにとって社員は家族のような存在で、会社で過ごす時間も非常に長いといいます。そのため、すべての社員にとって快適な職場環境をつくることを重視していると述べています。

技術者が7割超の職場環境と「技術と芸術」の両立

山木CEOによると、社員の70%以上は技術者です。社員が建物や空間の中でインスピレーションを得て、技術だけでなく、芸術や文化、美意識にも思いを巡らせてほしいと語っています。

SIGMAの製品は高度な技術に支えられたハイテク製品である一方、芸術表現のための道具でもあります。そのため技術と芸術、文化の両方を考える必要があるというのが山木CEOの考えです。東京都心については、活気があり、別の種類のインスピレーションを得られる場所だと評価しています。一方で、仕事をするうえでは静かで落ち着いた環境も必要だと述べています。

新ビジュアルアイデンティティに込めた思い

他社が新しいビジュアルアイデンティティをどう見ているかは分からないとしたうえで、山木CEO自身は「素晴らしい」と評価しています。社員が互いに前向きに競い合い、自分たちの仕事に誇りを持つためにも重要だという考えです。

技術を最高の水準に高める努力に加え、その取り組みを伝えるには、優れた品質と優れた製品を顧客に見せる必要があると山木CEOは語ります。新しいパッケージは顧客へのメッセージを伝える役割を担うため、新しいビジュアルアイデンティティは自身にとって非常に重要だと説明しています。インタビュアーから誇らしく感じるかと問われると、「そう感じており、多くの人が実現を助けてくれた」と感謝を述べています。

創業者の父から受け継いだプレッシャーと使命

山木CEOは、自分が父のようになれるとは思っていなかったと振り返ります。父である創業者は幼い頃から会社を継ぐよう言い続けており、それが大きなプレッシャーだったそうです。父は他の道を認めなかったため、SIGMAで働くほかに選択肢はなく、会社と製品を誇れるだけの理由を自分で見つける必要があったといいます。

30歳ごろには、会社のあり方について父と意見が食い違うこともあったと語っています。企業にとって利益は重要であるものの、あらゆる企業は社会のために革新的な製品やサービスを生み出すというビジョンを持つべきで、創業者はみな世界を変えたいという志を抱いているというのが山木CEOの考えです。そのため、お金を稼ぐことや利益は最優先事項ではないと語っています。

以来、SIGMAがどこから来たのか、どのような使命を持つべきかを常に思い出すようにしているそうです。その結果、自分の使命も理解できて気持ちが落ち着き、自我に引きずられないよう心がけていると述べています。創業の精神と、これまでSIGMAの成長を支えてきた多くの社員を思い、今も写真機材を必要とする顧客がいることが、皆の暮らしを幸せにすると語っています。

これからのSIGMAが見据える「顧客の写真ライフ」

将来の目標として山木CEOは、顧客が必ずしも超高性能なレンズやカメラを必要としているわけではなく、自分の生活に合った製品を求めているという認識を示しています。これまでは技術を中心に考えてきたものの、今後は顧客の生活や、その写真との関わりを考える時期だという考えです。

会社の目標については、今していることを続けることだと説明しています。技術をさらに高め、より良い製品とサービスを顧客に届けるための努力を、1年だけでなく5年、10年、15年と続けていくことが目標だと語っています。

SIGMAの沿革と会津工場

SIGMAは1961年に山木道広氏が創業した日本のレンズ・カメラメーカーで、2012年に創業者が亡くなった後、子息の山木和人氏が代表を務めています。動画の概要欄によると、現在の本社は川崎にあり、レンズとカメラを生産する拠点は福島県の会津にあります。

SIGMA公式サイトによると、会津工場は同社の唯一の生産拠点で、1973年に設立されました。創業者は、会津の人々の寡黙さや誠実さ、粘り強さが光学機器の製造に適していると考えたとされています。業界で生産拠点を海外へ移す動きが進む中でも、同社は会津での生産を続けており、自社製品をすべて社内で製造できる設備が整っているといいます。

映像の制作体制

この映像はCROPEによる制作で、概要欄にはクリエイティブディレクターとしてEmanuele Di Mare氏、撮影監督としてSimone Cioe氏の名前が記載されています。2台目のカメラはFrancesco Aloisi氏、3台目のカメラと編集、カラーグレーディングはDavide Diana Oliaro氏が担当しています。

編集部コメント

動画全体を通じて印象的なのは、山木CEOが自身を「カリスマ的な経営者ではない」と位置づけ、社員の支えを経営の前提に置いている点です。製品の性能競争に注目が集まりがちな中、SIGMAは働く人の環境やアイデンティティの整備を、製品づくりと同じ重みで語っています。技術者が7割を超える組織だからこそ、建物や空間を通じて芸術や文化に触れる機会をつくるという発想は、ものづくりの質を長期的に支える土台になるといえそうです。

もう一つ注目したいのは、これからの目標を「性能」ではなく「顧客の写真ライフ」に置いている点です。高性能化の競争が続くカメラ・レンズ市場で、利用者の生活に合う製品とは何かを問い直す姿勢は、5年、10年、15年という長い時間軸と結びついています。映像制作者にとっても、機材選びを仕様表だけでなく、メーカーの姿勢や継続性から考える際の参考になる内容です。

本記事は公開された動画の内容を参考に、日本向けに内容を整理・要約しています。また、沿革などの補足情報はSIGMA公式サイトを参考にしています。

参考動画:SIGMA 山木和人CEOの短編ドキュメンタリー映像(制作:CROPE)

参考情報:SIGMA公式サイト「Made in Aizu — our identity」

※掲載画像について
掲載画像はイメージです。実際の製品・仕様・デザインとは異なる場合があります。

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IMAGING PRESS編集部
ミラーレスカメラ、シネマカメラ、交換レンズ、ドローン、ジンバルなど、国内外の映像制作機材にまつわる情報を扱う編集チームです。海外のレビューやリーク情報、メーカーの公式発表を日々調査・整理し、映像制作の現場で得た視点も加えながら記事にしています。日本のクリエイターの皆さんに、役立つ最新情報を分かりやすい形でお届けすることを目指しています。

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